ショッピング・メトロとは?


サンパウロ市内には沢山のショッピングセンターがある。(ブラジルではShoppingと呼ばれている)
6,7階建ての老舗デパートのようなところもあれば、2,3階建ての横に広い所謂イオンモールのようなところなど、形は様々。入っているお店は、ファミリー向けの衣料品店や靴屋、化粧品、フードコート…とだいたいどこも似ているが、サンパウロの高級住宅地付近のショッピングには高級ブランドショップも並ぶ。

さて、今日はそんな大きなショッピングセンターのことではなく、もっと気軽なショッピング・メトロについて。
ショッピング・メトロというのは、メトロの駅に隣接するショッピングセンターではなく、"メトロの車内"で繰り広げられる売り子異動式の販売形態のことである。
これ、正式名称ではないのだが、友達が"Shopping de Metro"と呼んでいたので、私もこう呼ぶ事にしている。(この場合、直訳は"メトロのショッピング")

メトロに乗っている時に車内に乗り込んできた売り子がいろいろな物を売り始める。売り子と書いたが、実は普通の乗客で、もちろん違法行為にあたる。笑
彼らは普段着で大きなリュックや黒いビニール袋をさげて乗り込み、ドアが閉まり発車した後に、「Pessoaaaaaal!!! 」(「みなさーーーーーん!」みたいな感じ)と信じられないぐらい大きな声で叫び注目を集めてから、巧みな話術で商品の説明を始める。

よく売っているのは
・イヤフォン (しかもアップル社製そっくりの偽物)
・SDカード
・USBメモリ
・スマートフォンの充電器
などの小さな商品。多くの人が本当に使えるのか疑問にもつのか、「この場で試してもらって構わないよ!」と言いながら商品を見せてくる。
次に多いのは水やコーラなどの飲料、ガムやチョコレートのお菓子など。

満員だった車内で、スマートフォンのカメラに取り付ける魚眼レンズのようなものを売っている売り子が、「これがあればセルフィで上半身全体が撮れるよ!」と言った瞬間に周りにいた女の子たちが一気に振り向いたのには笑えた。(ブラジルの女の子、セルフィ大好きだからね…)
別の日はスマートフォンを収納できる防水ケースを売っている売り子が、実際にバケツにはった水にスマホ入りのケース沈めるパフォーマンスまでみせてくれ、別のメトロでは野菜カッターの実演販売(人参をひたすらスライス)を披露していた。必死感がすごい。
ガムや飴の売り子さんは、車内が空いている場合、乗客に無言で商品を置いていき、次の駅に着く前に回収(購入したい人はお金を渡す)していくパターンもある。
トークが苦手な売り子、または購入に踏み切れない恥ずかしがり屋さんにはぴったりの方法。これをしらなかった時に、突然ガムを渡されてびっくりした。サンパウロでメトロに乗ることがある方はしっておくと良いだろう。


メトロのないサルバドールではバス車内でこのショッピングが繰り広げられる。笑

どんな場所でもチャンスがあれば商売を始めるのがブラジル。
道端で物を売る人は多いが、メトロの車内とは斬新だ。
販売の他にも、楽器の演奏もある。私の友達はメトロ内で演奏してけっこうなおひねりを貰っていた。販売、パフォーマンスの他にも「この子に飲ませるミルクを買うお金をください」と赤ちゃんを抱きながら頼む人や、「工場勤務中に事故で失った腕の手術をしたい」と医療費を頼む人もいる。このタイプは車内がすごく重い空気になるが、ブラジル人は積極的に人助けをする人がけっこういるので、さらりとR$10ぐらい渡す人も多い。
どれも日本ではみたことのない出来事で、メトロは乗るたびに発見がある。

余談
メトロって危険なの?
私は朝6時~夜22時ぐらいであれば一人でもメトロに乗っている。但し、土地勘がある場所のみ。メトロ構内で怖い思いをした経験や、見た経験はありませんが、満員電車でのスリには十分ご注意を。最近は痴漢も増えているそうだ。
メトロについて詳しくしりたい方はこちらの記事をどうぞ。
サンパウロの移動手段~メトロ編~

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