ブラジルでの犯罪手口~実際に起こった実例~

コパカバーナの夜

「今まで海外で恐い思いをしたことがない」
「リオの治安は、どうせマスコミの過剰的な表現でしょ?」

なんて軽く思ってはいけません。
これは、リオデジャネイロ、そしてブラジルに限らず全世界に共通して言えることでしょう。
前回のブログで、2016年にオリンピックが開催されるリオについて書きましたが、今日はブラジルで実際に起こった犯罪内容についていくつか紹介したいと思います。

不安にさせるつもりはないのですが、どんなパターンで犯罪に巻き込まれるのか知っておくのも防犯の一つなのです。
私はサンパウロ州在住なのでサンパウロの日本領事館が配信している邦人に対する被害速報メールを受信しています。実例はサンパウロ州のものですが、参考になればと思います。


道端での強盗・ひったくり。

身近に起こる可能性が高いのが、道端での強盗やひったくりです。
犯人は拳銃、ナイフを所持している(または所持しているような素振りを見せる)場合があります。求めているのは大半がお金とiPhoneなどスマートフォン・携帯電話、そして時計です。以下、実際にあった被害情報です。

発生日時:2016年1月27日(火)午後2時15分頃
発生場所:ジャルジン・パウリスタ地区アラメーダ・ジョアキン・エウジェニオ・デ・リマ通り640番
事件概要:被害者が上記場所を徒歩にて通行中、背広を着た黒人とすれ違った際に「ヘロージオ(時計)」と三度ぐらい言われた。被害者は、ライターを貸してくれと言っていると勘違いし戸惑っていると、黒人は被害者の前に立ち塞がり拳銃を見せつけ、再度「ヘロージオ」と強要した。被害者がズボンのポケットから財布を取り出し現金を渡そうとしたら、いきなり腕時計を奪って逃走した。
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すれ違う際に何か声をかけてくる人は沢山います。もちろん全員が強盗ではありません。強盗が何を言っているかわからず、武器を持っているような仕草をみせたら、黙って現金を渡すのが一番です。ペルー人の友人が大晦日の夜に繁華街で強盗にあったそうですが、犯人は緊張して震えていたそうです。このように、犯人も興奮している場合が多いので、叫んだり、抵抗しないようにしましょう。

発生日時:2015年10月24日(土)午前2時頃
発生場所:サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ地区ジョアキン・エウジェニオ・デ・リマ通り
事件概要:被害者3名が徒歩にて帰宅途中,上記場所に差し掛かったところ,後方(パウリスタ大通り方向)から進行してきた車輛(白色のピックアップ車)の助手席からけん銃を所持した賊1名が降車し,被害者らを脅し現金や携帯電話,鞄等を奪って車輛にて逃走した。なお,被害者のうちの1名は,鞄を差し出す際に手間取ってしまったことから,賊に左頬を殴られている。
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まず、午前2時に徒歩で帰宅は例え複数人であったとしても危険です。夜出歩く際は、どのように帰宅するのかしっかり考えてから出かけましょう。東京のように各地に24時間空いている喫茶店があるわけではありません。もし帰宅方法が見当たらない場合は、夜の外出を諦める勇気も必要です。

空港内や移動中も気を抜けません!

ワールドカップ開催中に頻繁に起こっていた空港内での置き引き被害。カフェ店内であろうとスーツケースを席に置いて飲み物を買いに行くなんて絶対にダメです!以下、実際にあった被害情報です。

(1)12月末の午後8時頃、グアルーリョス空港に到着した際、鞄とスーツケースをカートに載せ、カートを構内に残したままターミナル入り口の喫煙場所に行き、カートを置いた場所に戻ったところ鞄(パスポート、ノートパソコン、携帯音楽端末、携帯ゲーム機等在中)が無くなっていた。
(2)ワールドカップ開幕前、空港内スターバックス店内にて友人と飲食をしていたところ、会話に夢中になっている隙に隣の椅子に置いていた鞄がなくなっていた。
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絶対にスーツケースと手荷物の鞄を放さないようにしましょう。隣の席に鞄を置くのも場所によっては危険です。

(3)11月末の午後10時頃、グアルーリョス空港からサンパウロ市内のホテルに向かう途中、借上車がパンクしたため、運転手が路肩に停車しタイヤ交換をしていた(被害者は車外で待機)ところ、犯人がいきなりドアを開けて車内においてあった鞄(パスポート、携帯電話、デジタルカメラ等在中)を奪い去った。
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車に乗る際からつけられていたり、運転手も犯行に関わっている場合もあります。スーツケースを受け取ったら共有スペースに出る前に貴重品をスーツケースに詰め替え、スーツケースはトランクに預けるという防犯対策を日本領事館は勧めています。(実際にスーツケースよりも手持ち鞄を奪われる事件の方が多いからだそうです。)

いつの間にか行われる計画的犯行

強盗だけではなく、被害者の気をそらし、気づかれないように犯行を行うパターンも増えています。(例:ケチャップ泥棒)
ブラジルでは見知らぬ人に声をかけられることがよくあり、大半が日本人珍しさに話しかけてくるか、物乞いです。このパターンの犯行は人が多いところで起こる場合が多く、誰が犯人かわかりません。
犯人は常に相手をさがしています。
大きな荷物でウロウロしたり、スマートフォンやカメラを手に持ちながら歩くのは控えることをおすすめします。
そして、堂々と歩くことが大切です。以下、実際にあった被害情報です。

発生日時:2016年7月13日(水)09:00頃
発生場所:サンパウロ市リベルダージ地区マクドナルド店内
被害概要:被害者が店内で朝食を取っていたところ、70代くらいの男性が目の前でコインを落とした。被害者がコインを拾うのを手伝っている間に、座っていた対面の椅子に置いていたカバンを別のものとすり替えられた。被害者への身体的被害はなし。
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いかなる時も絶対に鞄から目を(手を)離さないようにしましょう。
何かおかしいなと感じたら、必ず周囲を見渡すようにすることが大切です。
日中の外出でも、ポルトガル語が全くわからない場合は、できれば少しでもポルトガル語がわかる人と一緒に行動することをおすすめします。

空港と同じく注意して欲しいのはここ!

空港での犯行と同じように充分気をつけて欲しい場所が銀行です。安全な旅をするためにはお金は必ず必要になりますが、ブラジルでは大金を持ち歩くことは避けたほうがよいでしょう。もし持ち歩く場合は数箇所にわけて。
市内は殆どの場所でカードが使えます。
私は常にR$50程度を念のために持ち歩き、常にカード(クレジットとブラジル銀行のデイビット)を使うようにしています。

発生日時:2015年9月25日(金)午前11時20分頃
発生場所:Itau銀行Lapa支店駐車場(サンパウロ市ラパ地区ロマ通り731番)
事件概要:被害者は上記銀行窓口にて現金1万レアルを下ろした後、一つ下の階の駐車場(半地下)に降り、駐車車両(同車輌には同僚が乗車して待機していた。)へ向かう途中で拳銃を持った賊に現金の入った封筒を渡すよう要求された。賊は封筒を受け取ると同駐車場内に待機していたと思われる共犯者が運転するオートバイで逃走した。銀行で現金を下ろした時点で狙われていたと思われるとの由。
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旅行者が銀行に立ち寄る機会は少ないと思いますが、国際キャッシュ機能のあるカード(カード裏面にPLUSマーク)なら、対応のATMで現地の紙幣をキャッシングすることができます。実は空港などで両替するよりもレートがお得だったり。
ただし、銀行に出入りする場合は周囲に気をつけるようにしましょう。一度に大金をおろすことも避けたほうがよいと思います。(私はR$200~300程度にしています。)

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以上、サンパウロで実際に起こった実例です。
リオの被害情報は領事館のホームページに掲載されています。

脅かすわけではありませんが、現実をしり、気をひきしめて行動することが大切です。
私は2年半サンパウロに住んでおり、リオへは3回旅行していますが、今まで被害にあったことは一度もありません。ですが、驚くことに中には半年間に7回も強盗に遭った人もいるそうです。では、次回は実際の防犯に役立つ情報をお伝えしたいと思います。

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